タトゥー除去について

タトゥーを入れて後悔されている患者さまの来院が増えています。
若い頃にファッション感覚でタトゥーを入れたけれども…

・就職活動で不利になった
・元彼・元カノの名前が入っている
・腕や肩が見えるウェディングドレスが結婚式で着られない
・子供と一緒に温泉やプールで遊べない
・生命保険加入を断られた
・東京に出てきて、ノリでタトゥーを入れてしまった

などの理由でタトゥー除去を希望される患者さまが多くなっています。

一度、刺青を入れると消すことができないと思われるかもしれませんが、形成外科専門医の技術できれいにタトゥーを除去することが可能です。
タトゥーの大きさ、入っている場所、色づかいは一人ひとり違います。
患者さまにあわせたタトゥー除去方法をご提案いたします。

こんな方におすすめ

  • 一度でタトゥーを消したい
  • タトゥーを消した後の傷跡もきれいに治したい
  • 完全にタトゥー消したい
  • レーザー後の傷跡が目立ってしまった
  • 早く治療を終わらせたい
  • 熱傷専門医に治療して欲しい

タトゥー除去のポイント

タトゥー除去の方針を決めるのに非常に重要な3つのポイント。
 ①タトゥーがどの場所に入っているか
 ②大きさはどれくらいか
 ③何色か
「短期間にきれいにしたい」、「費用を抑えたい」、「タトゥー除去したいけれども、どの方法が良いのかわからない」などの悩みもご相談ください。
部位や大きさ、そして色などを評価しながら、時には性別や年齢を考慮してレーザー、単純切除、シリアル切除、アブレージョン(削皮)、などの方針をご提案します。

タトゥー除去手術は単純に切るだけではありません。
関節にタトゥーがある場合や、非常に大きな面積の場合には、細心の注意が必要です。
タトゥー除去の治療方法を間違えると、関節の動きが悪くなり生活に支障をきたしたり、大きな面積のタトゥーを一度に除去すると、脱水症状に陥り命の危険がある場合もあります。

術前の評価や専門医の技術が非常に重要になるのです。

切除によるタトゥー除去

タトゥー(刺青)が入っている部分の皮膚を切り取り、縫い合わせる方法です。

タトゥー(刺青)が入った皮膚をデザインに沿って切り取ってきれいに縫合します。少ない手術回数でタトゥー(刺青)を確実に取り除くことができます。 小さいタトゥー(刺青)を確実に除去したい場合にはお勧めです。

切除した皮膚は形成外科特有の縫合方法である「真皮縫合」を用います。単純な縫合方法よりも、「真皮縫合」は傷あとがきれいな仕上がりになります。

  • 刺青・タトゥー除去(切除術)

    刺青・タトゥー除去(切除術)

植皮術によるタトゥー除去

タトゥーを切除した部位に、別部位から採取した皮膚を移植する方法が「植皮」です。
「植皮」は、全層植皮と分層植皮があります。

①全層植皮:面積は狭いけれども、単純にタトゥーを除去することが難しい指や手の甲のタトゥー(刺青)を一度の手術で除き去ることができます。
②分層植皮:肩甲骨を覆うようにあるような比較的広範囲におよぶタトゥー(刺青)を一度の手術で取り除くことができる効果的な方法です。

デメリットとしては、植皮をするためにタトゥーをしていない皮膚を採取する必要があります。採取する部位も傷がつきます。タトゥーの範囲が広い場合は採取する皮膚の範囲も広くなりますのでダウンタイムが長くなります。
関節など皮膚が伸縮する部分などは、タトゥー除去後に一時的に動かしづらくなることがあります。

植皮は経験を積んだ形成外科医専門医ならではの手法であり、高い技術を要します。特に指、手の甲、手首を扱う場合は、手の外科を専門に学ぶ必要があり、非常に高い知識が問われる手技です。

  • 刺青・タトゥー除去(植皮術)

    刺青・タトゥー除去(植皮術)

症例紹介

30代男性で、頸部(首)左側面の刺青への単純切除です。事業を展開されていて、やはり印象が悪いということで切除希望で受診されました。

首のタトゥー除去・切除術 術前
首のタトゥー除去・切除術 術後
術前と術後の比較
症例
首のタトゥー除去・切除術
治療内容
タトゥーの部分の皮膚を切除し真皮縫合及び表皮縫合
リスク
切除ですので傷ができますが、ツッパリ感も少しあるかもしれません。他には、切除することで、痛みや出血を伴います。
費用
209,000円

首のタトゥー除去・切除術の経過

  • 術前

    術前

    梵字のような刺青です。大きさは4cm × 7cm(1cm単位ですので3.5cm⇒4cmとなります。)

  • 術後1ヶ月・1年後

    術後1ヶ月・1年後

    テーピングは傷をきれいにするのには必須です。そのテープの痕が残っています。テーピングは3カ月お願いしています。
    1年経過するとタトゥーを切除した傷は白く成熟しています。きれいに整っています。

術前の診察について

術前に際しては、タトゥーの状態を詳細に把握していきます。どの部位にどの程度の比率で、どんな色でタトゥーが入れられているかを診察します。

単純に大きさだけではなく、部位毎の面積や皮膚の伸展具合に応じて、単純切除(1回で切除する)が不可能な大きな場合は、回数を分けて行うシリアル切除術やアブレージョン(削皮術)を考慮します。

タトゥー除去の症例一覧へ

治療の流れ

  • Step.01

    診察

    医師によるカウンセリングを行います。ご不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
    治療方針、治療方法、リスクなど、詳しく説明します。

    タトゥーの状態を詳細に把握していきます。どの部位にどの程度の比率で、何色のタトゥーが入れられているかを診察します。

    単純に大きさだけではなく、部位毎の面積や皮膚の伸展具合に応じて、単純切除(1回で切除する)が不可能な大きな場合は、回数を分けて行うシリアル切除術やアブレージョン(削皮術)を考慮します。
    その際、料金が確定しますが、当院では手術の回数ではなく、大きさで手術の料金が決まります(詳細は料金表参照)。

    術前写真:手術のプランを計画するために撮影します。

  • Step.02

    デザイン

    状況に応じて、関節などの動きに影響がないよう(関節可動域に影響を与えない)に手術を計画していきます。植皮術では、採皮部が必要となります。部位によっては目立ってしまうので、患者さんと相談しながら慎重に決定していきます。

    <ポイント!>
    手の外科診療を多く経験している院長ならではの、デザインのポイントが重要となります。

  • Step.03

    手術(手術時間は30分から180分)

    局所麻酔を行います。

    面積が大きな場合は、麻酔クリームを塗布して表面麻酔をした後、非常に短く3本針の注射針を用いてゆっくり行っていきます。痛みは少ないと非常に好評です。
    両腕で、かつ面積が大きい場合は、腕の付け根に麻酔をする、ブロック注射を行うこともあります。

    ※ 全身麻酔を希望される患者さまは、麻酔科専門医による麻酔を受けることができます。(別途麻酔費用がかかります)

  • Step.04

    手術後

    腫れや痛みなどの状態に応じて休憩後、ご帰宅いただけます。
    術後はできるだけ痛みが伴わないような、形成外科診療で培った、ドレッシング材による処置を行っております。

アフターケア

  • 術後経過

    術後はできるだけ痛みが伴わないような、形成外科診療で培った、ドレッシング材による処置を行っております。
    簡単な切除術の多く場合は、フィルム剤を用いて術後1週間までは何も必要がないことが多いです。

  • 術後の診察予定

    当院では、術後の経過をしっかりと追って行きます。トラブルが無い様にしっかりと診療をします。
    (状況に応じて、術翌日)術後1週間、術後1か月、3か月、6か月

注意事項

リスク
痛み・出血・傷あと
ダウンタイム
腫れは1週間程度
シャワー
当日もしくは翌日から可能です。さっと浴びる程度にしましょう。

ドクターコメント

タトゥー除去には、レーザーが多く行われるようになってきました。当院でもピコレーザーによる照射も行っていますが、完全に無くすには時間が掛かります。また、完全に無くすことができない可能性もあります。時間が無い方には、手術が最も早く取り除くことができますが、それには専門的な知識や技術が必要になり安易に考えてならない場合もあります。術後の痛みの問題もあると思います。また、時間を要するということは、裏返すとお金も掛かってしまいます。ですので、受診時にはしっかりと説明を行い、どのような方法が一番適しているかを納得して、決定するよう努めて参ります。

日本形成外科学会専門医
医療法人社団 聡明会 理事長

田牧 聡志

料金表

タトゥ切除術 4㎠まで¥82,500
タトゥ切除術 9㎠まで¥165,000
タトゥ切除術 25㎠まで¥330,000
植皮術 9㎠まで¥660,000
  • 術式など手術の内容によって料金が異なりますのでカウンセリング時にご相談ください。
    大きさの単位は1cm刻みです(例:実測 3.5cm は 4cm となります。)
    分割手術の際(手術回数に数回に分ける場合)は、手術毎に別途¥33,000を要します。

よくある質問

Q.出来るだけ早くタトゥーを消したい!
A.夏までにタトゥーを除去したい、結婚式までに消したいなど、日程が決まっている場合は、カウンセリングの際にお伝えください。タトゥーの部位や大きさなどを総合的に判断して、ベストな方法をご提案します。
Q.麻酔の際に「痛みが少ない」と言われていますが、具体的にはどのようにされてますか?
A.面積によりますが、大きな場合は麻酔クリームで30分程度の表面麻酔を行います。これにより表面の感覚は鈍くなりますが、この状態では深い部位はまだ感覚が残っていて、切除やアブレージョンはできません。深部の注射が必要になりますが、表面に感覚がないので、短く細い注射針で行えば、殆ど痛みを感じずに麻酔が完了します。
Q.タトゥー切除術料金について教えてください。
A.タトゥー切除の施術料金は部位にもよりますが、基本的には術前採血、術後の投薬など含めまして20万前後となります。支払はクレジットカードによる分割払い、もしくは医療ローンがあります。当院では刺青切除の症例数が多いベテランの医師が担当いたしますので、ご安心ください
Q.タトゥ除去の料金はどのように計算されるのですか。
A.当院では大きさを基準に料金を決めております。√(ルート)を用いた計算方法で、下記の計算式で決まります。
(例:√(4×4)= 4 とします。)

例1.タトゥー除去(切除)で、単位面積を 5cm×5cm(25㎠)としている場合の計算式
10cm×20cmで二の腕の場合:料金合計= (√(10×20÷25))×180,000 = ¥560,027

例2.タトゥー除去(アブレーション)で、単位面積を 7.5cm×5cm(37.5㎠)としている場合の計算式
30cm×20cmで背中の場合:料金合計= (√(30×20÷37.5))×198,000 = ¥792,000

となります。
Q.1回ではなくて、複数回の手術になる場合、料金はどうなりますか。
A.手術が複数回になる場合は、上記の計算式の金額に、2回目以降に対して手術手数料として¥33,000を毎回追加させて頂きます。
①手術回数が2回の場合は、¥33,000
②手術回数が3回の場合は、¥66,000

例.タトゥー除去で、10cm×20cmで背中の刺青を3回に分けて切除する場合
切除料金= (√(10×20÷25))×198,000 = ¥560,027、追加料金=¥66,000、合計金額=¥626,027(=¥66,000+¥560,027)