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マスク着用後の肝斑への対策は内服薬治療

最終更新日2023.05.26(公開日:2023.05.26)
監修者:院長 田牧 聡志(たまき さとし)

マスク着用後の肝斑への対策は内服薬治療

2020年2月から発生した新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)に対して、マスク着用義務を余儀なくされて来ました。
長期のマスク着用に伴って皮膚へのダメージが重なり、マスクが当たる頬や顎などへの肝斑の発生が問題になって来ています。

そこへ、政府より5月8日よりマスク着用義務が見直されることで、今後マスクの着用の必要のない、元の社会環境へと戻っていくこととなります。
一旦発生してしまった肝斑への治療を本格的に行わないとならなくなりましたが、まずは、発生機序から整理しました。

マスク肝斑の原因

マスク使用による顔面の肝斑(かんぱん)の発生は、以下の理由によるものと考えられます。

マスク肝斑の原因

摩擦と圧力

マスクが頬に密着しているため、摩擦と圧力が発生します。これにより、皮膚の表面に刺激が与えられ、メラニン色素が過剰に生成され、肝斑が発生する可能性があります。

湿度と通気性

マスクを装着することにより、顔の周囲の湿度が上昇し、通気性が低下します。これにより、皮膚のバリア機能が低下し、メラニン色素の生成が促進されます。

日光への感受性の変化

マスクは、顔面の一部を覆い、直接的な日光の暴露を軽減します。
長期間にわたってマスクを使用することで、マスクを装着していない頬の皮膚が日光に対して感受性を失い、マスクを装着している部分との色差が生じる場合があります。

汗や皮脂の滞留

マスクの密着により、皮脂や汗が顔面に滞留しやすくなります。これにより、毛穴が詰まりやすくなり、肌トラブルが引き起こされる可能性があります。

ストレスとホルモンバランスの変化

コロナ禍による心理的なストレスや生活環境の変化は、ホルモンバランスにも影響を与える可能性があります。
ホルモンのバランスが崩れることで、メラニン色素の生成が促進され、肝斑が発生するリスクが高まることがあります。

マスク肝斑の治療

では、具体的にどのような治療が良いのでしょうか。
肝斑の治療方法として、内服療法が有効であることが報告されています。
以下に、トラネキサム酸やビタミンCを含む他の薬剤の内服療法についてまとめます。

マスク肝斑の治療

トラネキサム酸

トラネキサム酸は、肝斑の治療において広く使用されています。
トラネキサム酸は血液を凝固させる働きを持つため、肝斑による皮膚の色素沈着を抑制する効果があります。
内服することで全身的に作用し、肝斑の発生や悪化を防ぐことが期待されます。

ビタミンC

ビタミンC

ビタミンCは抗酸化作用があり、肌のメラニン色素の生成を抑制する効果があります。
内服することで全身的にビタミンCを摂取し、肝斑の改善や予防に寄与することが報告されています。

その他の薬剤

その他の薬剤

肝斑の治療には、他にもいくつかの薬剤が使用されることがあります。
例えば、ハイドロキノンやレチノイドなどの美白成分が含まれた薬剤が使用されることがあります。
これらの薬剤は、皮膚の色素沈着を抑制する効果があり、肝斑の改善に寄与することが報告されています。

注意

肝斑の治療において、内服療法は広く使用される方法ですが、個人の状態や体質によって効果や副作用が異なる場合があります。
そのため、これらの薬剤の内服を検討する場合は、必ず医師の指導を仰ぎ、適切な使用方法や適切な投与量を確認することが重要です。
また、内服療法だけでなく、トップカバーや美白化粧品の使用、日焼け対策の徹底など、総合的なスキンケアの実施も肝斑の管理に役立つことがあります。
個別の治療法の選択は、医師との相談に基づいて行うべきです。

内服治療症例

1年程度の内服治療の結果です。男性ですから、内服以外の治療は一切行っていませんが、しっかりと内服を継続することで、ここまで効果があることが証明されました。

術前

内服治療症例 術前

術後

内服治療症例 術後

現在は、内服薬による治療だけでなく、少し前は肝斑にはレーザーはタブーと言われていましたが、ピコレーザートーニングで肝斑を治療することも可能になりました。
肝斑治療の選択肢は広がっています、どんな肝斑治療が良いのかお気軽にご相談ください。