顔の脂肪注入とは

脂肪注入とは、自分自身から採取した脂肪を気になる深いしわ、くぼみ・凹みに注入することで肌にハリを持たせ改善させる方法です。
注入した脂肪は注入部位に定着するため効果は半永久的です。脂肪細胞も自分自身の細胞を使用しますので異物反応を起こすことがなく安心です。

こんな方におすすめ

  • ヒアルロン酸注射を何回も繰り返している方
  • 顔のくぼみを改善したい方
  • 下まぶたがくぼんでいる方
  • こけた頬をふっくらさせたい方
  • 目の下のたるみを改善したい方

脂肪注入のメリット

脂肪注入で注入した脂肪は自分の細胞となって「生着」するので、ヒアルロン酸よりも持持続性が高く、安全性も高く、より自然な方法です。そして、自分の脂肪を利用するのでアレルギーなどリスクが非常に低いのが特長です。

脂肪注入は太ももや腹部から脂肪を採取(吸引)し、特殊なフィルターによって不純物をしっかりと取り除いて濃縮します。頬の痩せている部分や深いシワ、目の上のくぼみなどに注入することで、ハリのある顔立ちに若返らせます。 シワ改善の基本原理としては『ヒアルロン酸注射』と同じですが、ヒアルロン酸などの薬剤は注入後、時間をかけて体内に吸収されてしまいます。ヒアルロン酸の効果は1年から2年程度ですが、生着した脂肪は半永久的に持続します。

脂肪注入できる部位

お顔の脂肪注入は、頬、ほうれい線、おでこへの注入など、しわやくぼみ対策に人気があります。脂肪を唇に注入すればふっくらとした唇に、手の甲に注入すると筋が目立った手の甲をふっくらとした若々しい手にすることに有効です。

脂肪注入の注意点

脂肪注入で注意が必要なのが、注入後の石灰化・しこりの発生です。石灰化・しこりの原因として考えられるのが、脂肪細胞が皮膚内で部分的に固まって注入された場合です。 部分的に多くの脂肪が固まってしまうと、その固まりの内側の脂肪細胞まで栄養が届かず、生着できずに壊死してしまいます。この脂肪が石灰化・しこりとなってしまうと考えられます。最近ではレントゲンでその区別をする方法も完成していますから、しっかりと検査を行えばその心配は無くなっています。

ティーズクリニックでは、石灰化・しこりのリスクを最小限にするために、独自の工程で注入する脂肪組織を精製し、生着率の高い脂肪注入技術を用いています。

生着率を高める3工程

STEP1 吸引した脂肪細胞への適切な処置
吸引された脂肪は繊維質な部分が多く存在し、そのまま注入しても固まりを生み出しやすい状態にあります。 そこで注入した脂肪細胞を手作業で丁寧に切断して、注入後に固まりを作らないよう、最適な大きさに整えます。
STEP2 不純物と水分の分離(コンデンス)
大きさを調整した脂肪細胞を特殊なフィルターにかけ、不純物と水分をしっかりと分離します。この工程により生着率が大きく増加します。
STEP3 生着率を高めるオリジナル注入法
皮膚内部に大きな脂肪の固まりをつくらないよう、浅い層と深い層にまんべんなく脂肪を注入することが生着率を高めるカギとなります。 「マルチミニマムインジェクション」という独自の注入法を用いて、適切な脂肪量を注入します。その結果、より高い生着率を実現し、石灰化・しこりになりにくい脂肪注入を可能にします。

症例紹介

60代の女性です。ほうれい線に脂肪を注入しました。
患者様ご自身の脂肪を採取し良質な脂肪だけに分離して、当院独自のマイクロ脂肪注入を行いました。

術前
術後
術前と術後の比較
症例
ほうれい線へのマイクロ脂肪注入。
治療内容
右大腿部内側より脂肪を採取し、採取した脂肪は、特殊な脂肪用裁断機に掛け、遠心分離機による処理を行うことで、マイクロ化して注入します。
リスク
腫れ・内出血・左右差・表面の凸凹・のう胞(oil-cyst)形成(脂肪壊死)。脂肪吸引部位(採取部位)には多少傷あとが残ります。
料金
495,000円

ほうれい線へのマイクロ脂肪注入の経過

  • 術前
    術前

    ほうれい線が目立っています。ほうれい線は鼻翼基部(小鼻の付け根)から口角(唇外側端)に向かって目立っています。ほうれい線に脂肪を注入しました。脂肪は、一般的には大腿部(太もも)腹部(お腹)から採取しますが、今回は右大腿部よりの採取としました。今回、他の部位として、両側の下眼瞼に注入を行っています。大きな腫れは1~2週間程度、小さな腫れは1~2か月程度です。

  • 手術翌日
    術後

    右鼻翼から右口角に向かって、はっきりとほうれい線が薄くなっています。

ほうれい線へのマイクロ脂肪注入

本症例では、脂肪を特殊な裁断器を用いてマイクロ化しているため、生着率を高くして、またより細かい個所に脂肪を注入できます。顔など繊細な部分に向いています。

治療の流れ

  • Step.01

    診察

    医師によるカウンセリングを行います。ご不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
    治療方針、治療方法、リスクなど、詳しく説明します。
    初診時に、どの部にどの程度の脂肪を注入したいのかの要望を聞いていきます。その上で、吸引個所の状態を詳細に把握し、可能な注入量を評価します。注入量が算定できた段階で、希望する注入部位にどの程度注入できるか部位別の脂肪生着率を考慮しながら、最終的に決定していきます。

  • Step.02

    デザイン

    術前のデザインは、等高線等を利用して天気図のようなデザインを描いていきます。
    吸引部位にも同様にどの程度どの部位から吸引するのかをデザインします。

  • Step.03

    手術(手術時間:3~4時間程度)

    手術は全身麻酔下に行われますが、吸引部には出血を強力少なくするためにチュメセント法(スーパーウエット法)を用いて局所麻酔を行います。
    外観がしっかりと麻酔が効いているかを示すブランチングと言う現象が起こるまで待ち、脂肪の採取を開始します。採取した脂肪は、特殊な処理を行い洗浄していきます。これにより生着率が格段に向上します。
    細い針を用いて、数カ所から非常に多くの回数に分けて注入を行っていきます。これも生着を高めるための工夫です。

  • Step.04

    術後処置

    腫れなどの状態に応じてリカバリー室での休憩後、ご帰宅いただけます。

アフターケア

  • 術後

    ダウンタイム
    大きな腫れは1~2週間程度、小さな腫れは2~3か月、内出血は2~3週間程度で軽快していきます。
    メイク(顔面の手術の場合)
    施術後2日目から可能(注入部位にテープを貼りますので、その上からメイクをしていただきます)です。
    シャワー
    術翌日の受診で確認の後、翌日から可能(脂肪吸引部位を濡らさないようにしてください)です。
    入浴
    1週間後の受診で確認の後、施術後8日後(脂肪吸引部位の抜糸後)から可能です。
    注入部位
    術後、注入部位は極力冷やすようにして生着率を向上させます。注入部位へは安静が非常に重要ですですので、大切に扱いましょう。注入した脂肪がしっかりと生着するようにするために注意が必要です。

  • 術後経過

    術後翌日に脂肪吸引部の出血などを主に確認します。
    1週間後に術後確認を行います。
    1ヶ月後にも受診して頂きます。
    3ヶ月後には、脂肪の生着を評価します。
    術後半年まで様子を見て、診察終了となります。

注意事項

リスク
腫れ・内出血・左右差・表面の凸凹・貯留のう胞形成(脂肪壊死)
ダウンタイム
大きな腫れは1~2週間程度、小さな腫れは2~3か月
傷あと
脂肪採取部(カニューレ挿入部または切開部)には多少傷あとが残ります

ドクターコメント

顔面は血行が非常に良好な部位であるため、生着という面からは脂肪注入は良い適応といえます。特に頬や下まぶたなどのくぼんだ部位には生着が良いと言われています。しかし、おでこや鼻などの飛び出ている(突出部)への注入は、逆に生着率が低くなります。確実な診断を行った後に、正しい判断を行って注入していきます。

日本形成外科学会専門医
医療法人社団 聡明会 理事長

田牧 聡志

料金表

顔(2部位)¥378,000
各上下口唇¥385,000
その他部位(直径3cm)¥165,000
その他ご相談ください
  • 術式など手術の内容によって料金が異なりますのでカウンセリング時にご相談ください。
    現在TCTメンバー募集中(モニター割引)です。ご相談下さい。

よくある質問

Q.注入する脂肪はどこからとるのですか?
A.ご自身の太ももまたは腹部から脂肪吸引します。
Q.ヒアルロン酸と脂肪注入とどちらがおすすめですか。
A.ヒアルロン酸はダウンタイムがほとんど必要なく、手軽なのが魅力です。しかし効果は6ヶ月〜2年程度です。
脂肪注入はダウンタイムが数日から数週間あります。しかし半永久的に持続するので治療を繰り返す必要がありません。