《監修》
日本専門医機構認定 形成外科専門医
ティーズクリニック院長 田牧 聡志
公開日:2018年11月17日
最終更新日:2021年12月04日

脂肪注入法について

脂肪注入とは、自分の脂肪を採取し、精製した後に体に再び注入する治療法です。顔面のくぼみやへこみに注入することで、シワ・たるみに対して持続性の高い根本的な治療が可能となります。

実際には、太ももや腹部から脂肪を採取(吸引)し、遠心分離器によって不純物をしっかりと取り除いて濃縮します。頬の痩せている部分や深いシワ、目の上のくぼみなどに注入することで、ハリのある顔立ちに若返らせます。

シワ改善の基本原理としては『ヒアルロン酸注射』と同じですが、ヒアルロン酸などの薬剤は注入後、時間をかけて体内に「吸収」されてしまいます。
一方、注入した脂肪は自分の細胞として「生着」するのため半永久的に持続します。自分の脂肪を利用するため、アレルギーなどリスクが非常に低いのが特⻑です。

しかし、脂肪注入で注意が必要なのが、注入後の石灰化やしこりの発生です。石灰化やしこりの 原因として考えられるのが、脂肪細胞が皮膚内で部分的に固まって注入された場合です。一部分に多くの脂肪を入れてしまうと内側まで栄養が届かず、脂肪細胞は生着できずに壊死してしまいます。この壊死した脂肪が石灰化やしこりとなってしまうと考えられます。

そこで、如何に脂肪を分散させて注入するかが課題となるのです。ティーズクリニックでは、石灰化やしこりのリスクを最小限にするために、独自の工程で注入する脂肪組織を精製し、生着率の高い脂肪注入技術を用いています。

《注入脂肪の生着率を高める工程》

<STEP1 不純物と水分の分離(コンデンス:濃縮過程)>

採取した脂肪は、遠心分離器を用いて麻酔薬や溶解した脂肪と、生きている脂肪に分解します。遠心分離をすることで、生着しやすい脂肪のみを取り出します。この工程により生着率が大きく増加します。

<STEP2 吸引した脂肪細胞への適切な処置(脂肪組織のマイクロ化:細断過程)>

遠心分離を行っただけでは、脂肪が固まった状態であり単位が大きく生着率は部位によってまちまちです。そこで、細部での生着率を高めるために、専用の器具を用いて脂肪を手作業で丁寧にする細断しマイクロ化する作業を加えます。

<STEP3 生着率を高めるオリジナル注入法>

皮膚内部に大きな脂肪の固まりをつくらないよう、浅い層と深い層にまんべんなく脂肪を注入することが生着率を高めるカギとなります。「マルチミニマムインジェクション」という独自の注入法を用いて、適切な脂肪量を注入します。その結果、より高い生着率を実現し、石灰化・しこりになりにくい脂肪注入を可能にします。

顔の脂肪注入の詳細へ

こんな方におすすめ

  • 顔の凹みに対して何回もヒアルロン酸を注入している方
  • 頬がこけてしまって老けた印象のある方
  • 下まぶたが窪んでしまっている方
  • 下まぶたが膨らんでしまっている方
  • 細断されたマイクロ脂肪を注入したい方

脂肪注入法に関する当院の強みと特徴

ポイント1 顔面が専門である形成外科専門医・美容外科専門医が所属顔面が専門である形成外科専門医・美容外科専門医が所属
日本形成外科学会専門医を中心として、日本美容外科学会専門医でもある先生方が所属していますので、安心してご来院ください。
ポイント2 採取部位を厳しく評価採取部位を厳しく評価
脂肪注入の問題点は脂肪採取部の脂肪量に掛かっています。日本人は吸引する部位に脂肪が少ないことが多く、思った以上に脂肪の採取ができません。そこで、厳しい目で評価することで、注入できる量をしっかりと予測します。
ポイント3 安全な脂肪吸引安全な脂肪吸引
田牧院⻑は、アメリカ形成外科専門医施設で多くの症例を経験しております。脂肪吸引はトラブ ルが多いと言われていますが、吸引時に出血が多く失血によるものが多いと言われています。脂肪吸引大国のアメリカの標準手技を実践している当院では、そのリスクを極力下げるように脂肪吸 引を行うようにしています。脂肪注入に必要な脂肪吸引では「安全第一」をモットーとしております。
ポイント4 傷はほとんどわかりません傷はほとんどわかりません
注入針は非常に細いので、単なる注射針と同程度ですので、注入個所の傷は殆ど目立ちません。
ポイント5 院⻑は・・・院⻑は・・・
当院の田牧院⻑は、古巣の東北大学形成外科の講習会などで専門医向けの講師も担当する 顔のスペシャリストで、顔面の解剖を熟知しています。「形成外科診療ガイドライン5 頭蓋顎顔 面疾患(主に後天性)」も担当しています。
※下記参照
※「形成外科診療ガイドライン5 頭蓋顎顔面疾患(主に後天性)」(金原出版) 日本形成外科学会 / 日本創傷外科学会 / 日本頭蓋顎顔面外科学会 ISBN:978-4-307-25718-3 B5判・200頁

治療の流れ

  • Step.01

    術前診察

    初診時に、どの部にどの程度の脂肪を注入したいのかの要望を聞いていきます。
    その上で、吸引個所の状態を詳細に把握し、可能な注入量を評価します。注入量が算定できた段階で、希望する注入部位にどの程度注入できるか部位別の脂肪生着率を考慮しながら、最終的に決定して いきます。

  • Step.02

    デザイン

    術前のデザインは、等高線等を利用して天気図のようなデザインを描いていきます。
    吸引部位にも同様にどの程度どの部位から吸引するのかをデザインします。

  • Step.03

    手術(手術時間:1時間程度)

    手術は、局所麻酔を行った上で脂肪の採取から行います。採取部位は、大腿部(太ももの内 側や外側)や腹部から行います。
    採取した脂肪は、遠心分離や細断などの特殊な処理を行い処理をしていきます。これにより生着率が格段に向上します。
    非常に細い針を用いて、数カ所から 非常に多くの回数に分けて注入を行っていきます。これも生着を高めるための工夫です。

  • Step.04

    術後処置

    《ダウンタイム》
    大きな腫れは1〜2週間程度、小さな腫れは2〜3か月、内出血は2週間程度で軽快していきます。
    《メイク(顔面の手術の場合) 》
    施術後2日目から可能(注入部位にテープを貼りますので、その上からメイクをしていただきます)です。
    《シャワー》
    術翌日の受診で確認の後、翌日から可能です。入浴1週間後の受診で確認の後から可能です。

    《注入部位への注意》
    術後、注入部位は極力冷やすようにして生着率を向上させます。注入部位へは安静が非常に重要ですですので、大切に扱いましょう。注入した脂肪がしっかりと生着するようにするために注意が必要です。

  • Step.05

    術後経過

    ダ術後は、術後翌日に脂肪吸引部の出血などを主に確認します。
    1週間、2週間後、1ヶ月後にも受診して頂きます。
    3ヶ月後には、脂肪の生着を評価します。
    半年後まで様子を見て、診察終了となります。

よくある質問

Q.脂肪の採取部位は選ぶことが可能でしょうか。
A.大腿部(太もも)の脂肪の生着が良い傾向があるようですが、希望にて選ぶことが可能です。
Q.術後の注入部に冷やすようにと言われていますが、どの様にしたら良いでしょうか。
A.日中起きている場合には、できるだけ行ってください。それ以外では就寝中に極力冷やすように してください。
Q.注入箇所で、脂肪の生着率(生存率)には差があるのでしょうか。
A.部位により差があります。一般的におでこなどの突出している部位は生着が悪く、窪んでいる個 所は生着が良い傾向があります。
Q.注入回数はどの程度でしょうか。
A.生着率の良い部位では、1回で満足する結果が得られるでしょう。
しかしながら、生着の難しい部位では2〜3回(時に4回程度)必要な場合があります。その際は、割引制度(2回目以降は半額)も利用できます。
Q.モニター制度はありますか?
A.現在モニターを募集していおります。診察にて採用がきましますので、まずは受診をお願いいたし ます。