二重整形をしない方がいい人とは?失敗リスクと代替案を徹底解説
最終更新日2025.05.21(公開日:2025.05.21)
監修者:院長 田牧 聡志(たまき さとし)

二重整形は手軽に印象を変えられる人気の美容整形ですが、実はすべての人に適しているわけではありません。
体質や皮膚の状態、目の構造によっては、二重整形を受けることでかえってトラブルを招いたり、期待した効果が得られなかったりするケースがあります。
本記事では、二重整形をしない方がいい人の特徴や条件、そのような方が二重を手に入れるための代替案まで、専門医の見解をもとに詳しく解説します。
二重整形を検討している方はぜひ参考にしてください。適切な判断をすることで、後悔のない美容医療を受けることができるでしょう。
二重整形の基本と人気の理由
二重整形とは、一重まぶたを二重まぶたに変える美容整形手術のことで、主に「埋没法」と「切開法」の2種類があります。埋没法は糸で皮膚と瞼板(けんばん)という組織を固定する比較的簡単な方法で、切開法はメスで皮膚を切開し、余分な脂肪や皮膚を除去してから縫合する方法です。
日本では約3割の人が生まれつき二重まぶたと言われており、残りの7割程度が一重または奥二重となっています。二重整形が人気の理由としては、「目が大きく見える」「顔の印象が明るくなる」「メイクがしやすくなる」などが挙げられます。実際、美容整形の中でも二重整形は比較的手軽で、ダウンタイム(回復期間)も短いことから、初めての美容整形として選ぶ方も多いのです。
しかし、手軽な反面、すべての人に適しているわけではありません。体質や皮膚の状態、目の構造によっては、二重整形をしない方がいいケースもあります。二重整形を検討する際は、自分の目の状態や体質をよく理解し、専門医のアドバイスを受けることが重要です。
二重整形をしない方がいい人の特徴
二重整形は多くの方に適していますが、以下のような特徴がある方は二重整形をしない方がいい可能性があります。自分に当てはまる項目がないか、チェックしてみましょう。
皮膚の状態から見た例
極度に皮膚が厚い人
まぶたの皮膚が極端に厚い方は、埋没法では十分な効果が得られないことがあります。糸で固定しても皮膚の重みで二重のラインが定着しにくく、すぐに戻ってしまう可能性が高いのです。また、切開法を選択しても、皮膚の厚さによって理想的な二重が作れない場合があります。
皮膚が極端に薄い人
逆に、まぶたの皮膚やまぶたの組織が極端に薄い方も注意が必要です。埋没法では糸の結び目が透けて見えてしまう可能性があります。
まぶたの脂腺が多い人
皮脂を分泌する皮脂腺が多く分布する方は切開法を行った場合に切開線部位に皮脂腺が消えてしまい周囲の皮膚とのアンバランスで、傷が目立ってしまうこともあります。男性には多く認めますが、術後経過を長くとらえて、辛抱強く経過を見る必要があります。
ケロイド体質の人
ケロイド体質の場合は切開線が固くなり予定していた切開ラインに二重ラインが入らないことがあります。特に内側のラインに乱れが生じる場合があります。ただし、ケロイド体質の判断は難しく専門医(形成外科学会専門医)への相談が必要となります。
目の構造からみた不向きな人
眼窩脂肪(がんかしぼう)が多い人
まぶたの奥にある脂肪(眼窩脂肪)が多い方は、二重整形後に脂肪が前に出てきて、せっかく作った二重のラインが消えてしまうことがあります。特に年齢とともに脂肪が前に出やすくなるため、若いうちは問題なくても、年齢を重ねるとともに二重が維持できなくなる可能性があります。
眼瞼下垂(がんけんかすい)がある人
まぶたを持ち上げる筋肉(挙筋)の力が弱い「眼瞼下垂」の方は、二重整形だけでは目の開きが良くならないことがあります。このような場合は、眼瞼下垂の治療を先に検討した方がよいでしょう。眼瞼下垂は単なる見た目の問題だけでなく、視野狭窄などの機能的な問題も引き起こす可能性があるため、専門医の診断が重要です。
極端に目が小さい人
もともと目の横幅が狭く、縦にも開きが少ない方は、二重整形だけでは大きな効果が期待できないことがあります。このような場合は、目頭切開や目尻切開などの追加の手術を検討する必要があるかもしれませんが、同時に複数の手術を行うとリスクも高まるため、慎重な判断が必要です。
健康状態と二重整形の関係
血液凝固異常がある人
血が止まりにくい体質の方や、血液凝固に影響する薬(抗凝固剤など)を服用している方は、術中や術後の出血リスクが高まります。このような方は二重整形を避けるか、薬の一時的な中止が可能かどうかを主治医に相談する必要があります。
自己免疫疾患を持つ人
膠原病などの自己免疫疾患がある方は、傷の治りが悪かったり、炎症が長引いたりする可能性があります。また、ステロイド薬を長期服用している方は、皮膚が薄くなっていることが多く、傷跡が目立ちやすい傾向があります。
妊娠中の人
妊娠中は、特に妊娠初期ではホルモンバランスの変化によって体の状態が不安定になっているため、二重整形を含むすべての美容整形は避けるべきです。術後に使用する薬が胎児や乳児に影響を与える可能性もあります。授乳中は若干色素沈着などの可能性が高くなりやすいことがありますから、専門医の相談が必要でしょう。
なぜ二重整形をしない方がいい場合があるの?
二重整形は比較的安全な手術ですが、すべての人に適しているわけではありません。以下では、二重整形をしない方がいい理由について、失敗リスクと期待と結果のギャップという観点から詳しく解説します。
失敗リスクが高いケース
極端な皮膚状態の人
前述したように、極端に皮膚が厚い人や薄い人は、二重整形の失敗リスクが高まります。皮膚が厚すぎると二重のラインが定着しにくく、薄すぎると糸が透けたり傷跡が目立ったりする可能性があります。
過度な腫れやすさがある人
手術へのストレス反応として、通常よりも強く腫れる体質の方もいます。このような方が二重整形を受けると、予想以上に腫れが長引き、日常生活に支障をきたす可能性があります。また、長期間の腫れは最終的な仕上がりにも影響を与えることがあります。
傷跡が残りやすい体質の人
ケロイドや肥厚性瘢痕体質の方は、切開法による二重整形で目立つ傷跡が残る可能性が高くなります。まぶたは顔の中でも目立つ部分であるため、傷跡が残ることで逆に美容的な問題が生じることもあります。
期待と結果のギャップが大きい人
極端な二重を望む人
「できるだけ幅広い二重にしたい」「アイドルのような目になりたい」など、自分の目の構造と大きくかけ離れた二重を望む方は、結果に満足できない可能性が高いです。理想と現実のギャップが大きいと、何度も修正手術を繰り返すことになり、結果的にダメージが蓄積することも。
写真加工アプリの画像を理想とする人
最近はスマートフォンの写真加工アプリで簡単に目を大きくしたり二重にしたりできますが、これらは現実には再現不可能なケースが多いです。加工アプリの画像を医師に見せて「こうなりたい」と伝えても、実現できないことがほとんどです。
整形を繰り返している人
すでに何度も二重整形や目元の手術を受けている方は、組織のダメージが蓄積しており、さらなる手術によって予期せぬ結果になる可能性があります。特に、以前の手術で満足できず、医師を変えながら何度も修正を重ねている場合は注意が必要です。
二重整形の代わりに検討できる選択肢
二重整形をしない方がいい人でも、二重まぶたの印象を手に入れる方法はあります。ここでは、手術以外の選択肢について紹介します。
メイクテクニックによる二重表現
アイシャドウの活用
一重まぶたでも、アイシャドウの塗り方を工夫することで、二重のような立体感を演出することができます。まぶたの中央に明るい色、周囲に暗い色を入れることで、自然な陰影を作り出す方法が効果的です。
アイラインの活用
アイラインを目のキワよりやや太めに引き、目を開けた状態で少し見えるようにすると、二重のような印象を与えることができます。また、目尻側を少し上向きに引くことで、目が大きく見える効果も期待できます。
つけまつげの活用
自然な長さと密度のつけまつげを使うことで、まつげが目立ち、結果的に目元の印象が変わります。特に目尻側に重点的につけることで、目が横に広く見える効果があります。
アイプチやアイテープの正しい使い方
長期使用による皮膚への影響
アイプチやアイテープは一時的に二重を作る効果的な方法ですが、長期間使用し続けると皮膚が固くなってしまったり、色素沈着になってしまったり、たるみやすくなることがあります。使用頻度や時間を考慮し、肌に優しい製品を選ぶことが重要です。
タイプ別の選び方
アイプチには液体タイプ、ジェルタイプ、テープタイプなどがあり、まぶたの状態によって適したものが異なります。まぶたが厚い方はホールド力の強いタイプ、薄い方は刺激の少ないタイプを選ぶとよいでしょう。
使用によるトレーニング効果
アイプチやアイテープを毎日使用していると、まぶたの皮膚が徐々に折れ癖がつき、使わない時も自然と二重になるケースがあります。これは「トレーニング効果」と呼ばれ、特に若い方に起こりやすい現象です。
低リスクな美容医療の選択肢
ボトックス注射
目の周りの筋肉にボトックス注射を行うことで、まぶたの開きを改善し、結果的に目が大きく見える効果が期待できます。特に目元の筋肉の緊張が強い方に効果的です。ただし、効果は3〜4ヶ月程度で、定期的な施術が必要になります。
ヒアルロン酸注入
まぶたの適切な位置にヒアルロン酸を注入することで、二重のラインを作り出す方法もあります。効果は6ヶ月〜1年程度で、徐々に自然に元に戻るため、永続的な変化を望まない方に適しています。
二重整形をする前に必ずチェックすべきポイント
もし上記の「二重整形をしない方がいい人」に当てはまらず、手術を検討する場合は、以下のポイントを必ずチェックしましょう。
1. 医師の経験と実績
二重整形の経験が豊富で、多くの症例を持つ専門医(JSAPS専門医がより良い)を選ぶことが重要です。医師のウェブサイトや症例写真を確認し、自分の目に近い症例があるかチェックしましょう。
2. カウンセリングの質
良い医師は、患者の希望をよく聞いた上で、その人の目の状態に合った施術方法を提案します。「何でもできます」と言う医師よりも、「あなたの目にはこの方法が適しています」と具体的なアドバイスをくれる専門医を選びましょう。
3. 価格だけで選ばない
二重整形の価格は医院によって大きく異なりますが、極端に安い価格設定には注意が必要です。適切な技術と安全性を確保するためには、相応の費用がかかるものです。価格だけでなく、医師の技術や医院の信頼性を総合的に判断しましょう。
4. 術後のフォロー体制
術後に何らかのトラブルが生じた場合のフォロー体制が整っているかも重要なポイントです。修正が必要になった場合の対応方針や、追加費用の有無なども事前に確認しておくとよいでしょう。
まとめ:二重整形は慎重な判断を
二重整形は、多くの方にとって魅力的な選択肢ですが、すべての人に適しているわけではありません。特に本記事で紹介したような「二重整形をしない方がいい人」に当てはまる場合は、手術以外の選択肢を検討するか、より慎重な判断が必要です。
二重整形を検討する際は、まず自分の目の状態や体質をよく理解し、信頼できる医師とのカウンセリングを通じて、最適な選択をすることが重要です。また、整形手術は「100%満足できる結果が得られる」というものではなく、ある程度のリスクや妥協が伴うことも理解しておきましょう。
最も大切なのは、自分自身の目を客観的に見つめ、本当に二重整形が必要かどうかを考えることです。一重まぶたや奥二重も、個性として魅力的です。メイク次第で十分に魅力的な目元を演出することも可能です。
二重整形をするかしないかは、最終的には自分自身で決めることですが、十分な情報収集と冷静な判断を心がけてください。そして、もし手術を選択する場合は、信頼できる専門医と十分なコミュニケーションを取りながら、安全で満足度の高い結果を目指しましょう。