症例7 切除術・左肘関節
難しい刺青除去:症例7(術前・1回目術後経過・3回目術後経過)
難しい刺青除去の症例を経験しましたので報告します。
左の上腕から肘を超え、前腕にまで達しています。大きさは21cm×11cmでした。
簡単に、手を出すと肘の屈曲障害(曲がらない)などの障害を残す可能性が高く、慎重に手術を計画しました。
写真1.術前写真
術前の評価としては、左肘関節に掛かる大きな姿勢に対して、関節の動きを妨げないようなデザインをしなければなりません。
写真2.デザイン
関節からなるべく遠い位置に、どの程度の回数で、それぞれどの程度切除するべきなのかを検討しました。
写真3.1回目の術後3か月
この時点では、まだ、そこまでの障害を考えることはないようです。
2回目のデザインをお示しします。
写真4.3回目の術後2週間
上が肩であり、下が手首になります。くびれているところは肘関節の少し肩側です。最もきついところでした。
このことが関節の曲がりに影響を与えていないか非常に心配でしたが、問題ありませんでした。
盛り上がっているのは、傷に緊張を与えないような特殊な縫合法(真皮縫合)です。皮膚が荒れているようですが、テープを剥がしたばかりなので、テープの跡も残っていますし、痒かったようです。
写真5.術後6カ月
難しい症例ですが、関節の拘縮(関節が上手く動かないこと)が最大の問題点でしたが、全く生活に制限はないようです。この症例は女性です。男性では少し違いますから、その際は別の方法も検討しないといけませんね。
リスク:刺青の部位によっては、関節拘縮や肥厚性瘢痕、ケロイドになる場合もあります。
副作用:一般的な手術の副作用ですが、大きく切除すれば疼痛は数日間はあると思います。
料金:難しい症例であり500,000円程度です。